霧ヶ峰とニッコウキスゲ
7月15日、駐車場の心配もありAM4時出発予定が早く目が覚めてしまいAM3時、そのまま出発する事にした。さすがに真夜中は車も少なく全て順調に走り車山肩の無料駐車場にAM5時30分到着。速い!新記録だ! 早速満開のニッコウキスゲが迎えてくれた。100台入る駐車場は既に7割ほど駐まっている。
作ってきた朝食を食べ、身支度を調えた頃にはほぼ満車。駐車場裏のコロボックルヒュッテ前は5叉路になっていてまるで銀座。こんな早い時間から大変な混雑。その混雑を避けるように6時20分車山に向かって出発する。右手には御岳?か乗鞍?さらに中央アルプス、歩くにつれて南アルプスと甲斐の山々が見える。40年以上前の夏に歩いた記憶が少しずつよみがえる。当時の強清水(こわしみず)から車山までは自由に何所でも歩く事が出来た。それが広く整備され、ロープが張られた道伝いに登るようになっている。
高度を稼ぎ車山の南側に回り込む辺りから富士山・八ヶ岳・金峰山・瑞牆山とパノラマのように広がってくる。登山道は大きく左に回り込み美ヶ原、更に後ろには北アルプスの一部が雲の間から霞んで見える。写真を撮ったり景色を見たりしながらゆっくり歩き、レーダードームの有る山頂に到着したのは7時05分。
山頂(1925メートル)からは360度の展望を楽しむ。浅間山や白根山方向は雲で見え隠れしている。目の前には逆光に輝く白樺胡。更にその先に蓼科山、その直ぐ右に明日登る予定の北横岳も見えている。眼下には今日歩く予定コースがまるで箱庭のように見える。7時20分車山乗越し方面に向けて下山開始。スキーシーズンだとゲレンデのど真ん中に成る部分だ。あえぎあえぎ登ってきた若者数人のグループとすれ違う。乗越し7時35分。ゲレンデから乗越し部分のニッコウキスゲは2分咲き。今年の開花はかなり遅れているようだ。小さな標識が立つ分岐には7時40分。花の100名山に紹介されたコースでもあり殆どの人は真っ直ぐ蝶蝶深山に向かうがあえて此所を右に取る。今まで歩いてきた道と一変して違う細い道。時々咲いているニッコウキスゲ。鳥の鳴き声以外何も聞こえない静かな道。まるでスイスのような景色が続く。
姫木平方面の標識が途中に有ったが下りずに真っ直ぐ向かう。昔の静かだった頃の霧ヶ峰の道と景色が此所にはある。右手はエコーバレースキー場。写真を撮ったり一本立てたりしながら山彦谷(やまびこだに)南の耳1838mに8時30分到着。朽ち果てそうな標識が立っていた。目の前にはデンと構えた蓼科山。5分休んで出発。この道には前後に一人ずつしか登山者の姿はない。物見石山・蝶蝶深山に続く道は多くの登山者の歩く姿が手に取るように見える。「まだ咲いていてくれたの、有難う!」と思わず言いたくなるレンゲツツジが時々ある。
山彦谷北の耳1829mには8時45分到着。
車山・南の耳の稜線の彼方には富士山が見えている。北西側には八島湿原の全容が見える。5分休んで出発。細く急な滑りやすい道を下りきると分岐。真っ直ぐ取ればブランシュたかやま方面ですが此所を左に。この辺りはニッコウキスゲ・虎の尾・アザミ・レンゲツツジがポツポツと咲いている。途中からガレ場の道を下り再び上り詰めた所が男女倉山(おめぐらやま)別名ゼブラ山1776mの山頂だ。9時15分到着。
この山頂から見渡す限りのニッコウキスゲを見た感動が忘れられない”と書いた新聞記事を最近読んだのですが残念!! 今年はまだ先のようです。山頂からは歩いた稜線 車山・南の耳・北の耳と見えている。眼下には八島湿原が更に近づく。
おむすびを一ヶ食べて山頂でごろっと横になる。大地の恵みを背中で感じる。ゆっくりした雲の動きをボンヤリと追う。至福の一時。9時40分下山開始。鎌ヶ池キャンプ場手前で100名山コースと合流。途端に人人人。キャンプ場10時10分到着。湿原は省略して三分の一だけ周り沢渡に向かう。湿原はアヤメが少し咲いていた。沢渡(さわたり と読ませているようですが昔はサワンドと読んだ。何故か解らない?)まで来ると更に人が増える。到着10時35分。沢で頭から水をかぶり顔を洗いアア〜ッサッパリ!
沢渡のゲレンデはニッコウキスゲが五分咲き。登山道は狭く急で滑りやすい。運動靴にコンビニ弁当とペットボトルを手に持った観光客がドンドン下りてくる。登る人下る人、写真を撮る人、と至る所で鉢合わせ。上り優先!なんて全く通用しない。コロボックルヒュッテ前到着11時10分。ノンビリゆっくり歩いて一周出来た。幸い妻もくたびれていない。これから登る人戻った人。此所だけを見に来た人。様々な人の往来と景色を見ながら昼ご飯を食べる。梅雨前線が下がってきたらしく北方向はすっかり曇ってしまった。
満開のこの付近を見て回り車に戻って昼寝。今宵の宿に向かう。
今日末尾の写真は霧ヶ峰のガイドブックや案内でよく使われる代表的な撮影ポイントからの1枚。
つづく
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