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2009/10/08

尻当て 

山学会に入って居たころの必需品に“尻当て”が有った。
自分の尻の部分に当てる動物の皮で出来た座布団みたいな物だ。一方に紐が付いていて腰に縛り行動中は絶えずぶら下げたまま。これが実に便利。死ぬほど苦しい行軍をしているので小休止の号令と同時に倒れ込むように座る。苔の上だろうと雪の上だろうと濡れた土の上だろうとガレ場の石の上だろうとお構いなし。動物の毛はすばらしく、立てば毛に着いたものは落ちてしまう。時には雪渓で尻セード(注※1)するのに都合よく使える。そんな便利な尻当てを昔は山屋と言われるような猛者の殆どが愛用していた。
最高級品はカモシカの皮。貧乏な僕はケンピだ。エ?ケンピッてなに?犬の毛です。その後チョットお金が出来てムートンラムのなめし皮を一枚買いして4人で切り分けした。
とても重宝に使っていましたが婚約と同時に山屋は廃業。その後はもっぱら行楽の時の座布団代わり。
2003年突然山登りを再開。さらにその後静岡ワンダーホーゲルに入会。ダメに成らずに残っていたラムの尻当てを本来の目的で再び使い始めた。しかし時代はすっかり変わりダサイ尻当てなど使う人も居ません。使う人は居なくても僕にとってはとても重宝なグッズ。珍しがられながら便利に使っていました。しかし昨年暮れ、ラムの尻当てはボロボロになり、再びケンピのお出まし。それも先月雨の中の東天狗ですっかりボロボロ。

尻当て三代目を工面しなくちゃと出かけたのは松坂屋デパート。
幸い座布団大のムートンの敷物を見つけ、これに腰紐を縫い合わせた。出来たのがこれ。(小さな切れっ端を幾つも縫い合わせてある。正確な金額は忘れましたが千円台。五六回使ってダメに成っても安いもんだ!)
Img_7651
背広を脱いで装着し写真を撮りました。山の格好でないと様に成りません、、、weep

注※1 尻セード
 雪や雪渓の上でお尻を付け前に出した両足で方向やブレーキ操作をする。(漢字だと尻制動)
 ピッケルを使った方法は『グリセード』と言い本格的な登山技術の一つ。雪渓をピッケルの石突を後方雪面に付け膝と腰を少し曲げ登山靴で方向操作をしながら滑り下る。これがけっこう大変でなかなか上手くできない。失敗して転べば顔面制動で顔は血だらけ。ピッケルがお腹に刺さって死亡や目を付いて失明なんて事に成りかねなくて怖い。緩い斜面では出来ないし急斜面では滑落死してしまうのでやれる雪渓は限られる。

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